母集団と母数

ネット上に転がっていた記事を読んでいて、ん?と思ったことがあったのでメモしてみます。記事は学生の論文なのだろうか、それとも企業内研究者の記事なのだろうか、記事の具体的な内容はここでは伏せさせていただいて、ん?と思ったポイントについてだけお伝えしたいと思います。

記事の概要としては、商品の購買率を上げるためのマーケティング戦略を考えていて、過去の販売実績から購買確率の高い消費者の属性を見極めようというような趣旨でした。それで、販売実績は消費者母集団全体から抽出された標本とみなして、母数を推定していくアプローチをとるという方針です。しかしながら母数は未知なので、抽出を何度も繰り返すことで母数に比べてそん色ない程度に標本を増やします。。。ん?

どうやら「母数」という単語を母集団そのものか、はたまた、母集団の要素数の意味で使っているようです。確かに単語の最後が「数」なので、そういうイメージを持ちたくなくなるのはわからなくもないですが。母数というのはパラメータのことで、確率分布を特定するための定数のことです。ネット検索すると母数を標本の数の意味で誤用したり、はたまた確率計算のときの全体の数(それ「分母」ね。。)と誤認したりするケースも多いようですね。また、「母数とは、母集団の平均や分散、すなわち母平均や母分散のことだ」と堂々と解説してるサイトもありましたが、この人わかってるのかな?と思いました。

かくいう私も言葉の誤用は多々ありますし、ニュアンスが伝わればまぁOKと考えているところもありますが、場合によっては全く違うことをイメージしていたり、議論がかみ合わず口論に発展したりもするので、よくよく誤用には注意していたいと思います。

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