2022年は”Graph Neural Networks”に注目です

12月も半ばを過ぎ、今年も残りわずかとなってきました。いつもこの時期になると来年、AIについてなにを取り上げて研究するかを考えています。いろいろ探った結果、2022年は”Graph Neural Networks”を集中的にやってみることにしました。以前から名前をちらほら聞くことはあった”Graph Neural Networks”ですが、今年に入りいくつかのapplicationで成功事例が報道されていて、本格的に取り組むのに丁度良いタイミングかなと思った次第です。

Graphは点と点を繋いだ図でよく表現されています。Graphで直感的に表現できそうなテーマとしては

ソーシャルネットワーク
薬の分子構造
脳の構造
交通システム
通信システム

などなどまだ沢山ありそうです。関係性が重視される構造を持っていれば、Graphで表現できると思います。Graphはその複雑さゆえに、AIのアプリケーションとしてはあまり登場していなかったのですが、2021年に入り、その成果がたくさん出てきたと思います。論文発表もどんどん増えているようです。

今年の8月にはDeepMindとGoogleの研究者から、Google Mapのデータを使って、目的地到着時間の予測を行い、精度が向上した旨のリリースがありました。以下の図のように道路をセグメントによりグラフ化し、”Graph Neural Networks”を用いて分析を行ったとのことです。モデルの構造そのものは案外シンプルなようです。詳細はぜひリサーチペーパーの3.2 Model Architectureをご覧下さい(1)。

これ以外にもいろんな成功事例は出ています。特に創薬分野では期待されているようです。

理論的には、”Graph Neural Networks”はかなり幅が広い概念で様々なモデルがあるようです。理論的な枠組みも深化しており、一流のリサーチャーが参加し、2022年にはさらに研究が加速しそうです。

という訳で、”Graph Neural Networks”は大変興味深いテーマだと思います。来年も良い事例が見つかればupdateして行きたいと思います。

それでは皆様良いお年をお迎え下さい。

1)ETA Prediction with Graph Neural Networks in Google Maps, 25 Aug 2021

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