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リモート化が加速させる感情解析という世界

コロナ・ショックが起きて人々の生活は大きく変わった。外食する機会が大きく減ったし、旅行となると滅多に行かなくなった。行けなくなったという方が適切かもしれない。人々のコミュニケーションはWeb上で行われるようになった。社内会議はもちろんのこと、営業のためのミーティングさえ、Web上で行われる機会が増えた。

金融サービスを提供する金融機関も、決して例外ではない。そのため、コールセンターの通話数は格段に増加していくことになる。また、現時点ではあまり目立たないのだが、多くの金融機関でビデオ相談の可能性が模索されつつある。

コミュニケーションがWeb上に移行するということは、コミュニケーション内容がデジタルデータとして残り、活用できる機会が生まれていることを意味する。コミュニケーションはテキスト化され、自然言語処理などを通じて単語の利用頻度を明らかにし、営業成果との関係などが模索されるようになった。

デジタルデータとしての情報は、テキストだけでは実はなかった。コールセンターの音声データにしても、ビデオ相談の画像データにしても、声の波長や顔の表情から感情を窺う仕組みがすでに実装され、感情データを活用してコミュニケーションの品質向上や営業成果の改善を模索する環境だけはすでに整っている。

コールセンターの自動音声認識からテキスト化を行うツールの中で半分以上のシェアを占めるAmiVoiceには、感情データを測定し記録する機能が存在している。また、画像から人の表情を読み取り感情データに落とし込む機能は、クラウド上でAmazon、Google、Microsoftなどが提供してくれている。それともうひとつ、MIT発のベンチャー企業Affectiva社はカリフォルニア大学医学部のPaul Ekman教授の開発したFACS理論にもとづいた感情データを提供するAffdexというプロダクトを開発している。

ただ、感情データとコミュニケーションの品質向上や営業成果の改善に結びつけていく試みは始まったばかりである。そのためか、感情解析によって大きな発見をしたという声はまだ聞こえてこない。

当社もある銀行の相談業務を通じて関りを持ち始めたところである。感情解析をしてみて感じたことは、よほど注意深くデータを読み込まないと真実が見えてこない。単純に機械まかせにデータ分析をしていても決して辿り着けないところに、いくつもの発見を見出した。データストラテジストが、コンピュータの処理機能を操り、コラボレーションがない限り、見いだせない世界がそこにはあった。データサイエンスの技術論、アルゴリズムだけでは、歯が立たないだろうと思った。これもまた、フロンティアであり、我々がデータストラテジストとして関わるべきテーマであると考えています。



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